研究室主宰者(PI: Principal Investigator)とは,文科省の審議会・学術分科会の資料を読むと,独立した研究室をもって,その研究室の予算執行・管理責任があり,担当課題の予算執行・管理責任を有し,大学院生等の指導責任と発表論文の責任を負うといった定義と理解しています.細かな部分に多義性はありますが,これらを本サイトにしたがう研究室で担っているのは以下の教員です.
- 氏名:松浦健二(徳島大学 教授 情報センター(兼)大学院創成科学研究科および理工学部)
- 専門:学習支援システム,教育工学,情報基盤,認証連携
- 学会:情報処理学会,電子情報通信学会,教育システム情報学会,人工知能学会,日本教育工学会
(1)本研究室を希望する学生の皆様へ
本研究室は,人間の身体性を含む知性を高めるための学習支援システムの設計論やその実証研究を行います.また,高等教育機関内や組織を超えて連携できる情報システムの基盤に関する設計論や実践研究も展開しています.扱う技術は,各種のセンサーからのデータ分析や,動画解析など多様な情報処理技術・方法論を用いますが,それらを含む抽象化されたモデルをいかに扱うかに焦点を当てて研究します.応用系の研究のうち,特に人間を系に含むシステムを扱うのは大変で,一般的には悪構造領域ですが,だからこそ面白いとも思います.積極的な学生の皆さんが興味を持っていただけることを期待し,一緒にできる学生諸氏を歓迎いたします.
- 大学院進学希望の学生の方は,4年生の時点で四国支部大会などで研究成果を発表しましょう
- 大学院進学希望しない学生の方は,4年生の時点で四国支部大会や研究会等で研究成果を学外発表しましょう
- M1になれば,論文誌,国際会議,国内会議などで研究成果を発表しましょう
- M2になれば引き続き,論文誌,国際会議,国内会議などで研究成果を発表しましょう
- Drに進学すれば,研究成果を社会にいかにして還元するか,とか,自らの研究成果で社会をリードするには,を考えて実現していきましょう
PIの属するA6グループ内外での様々な交流は,貴方の知識・技能だけでなく,豊かに人間性を高めることでしょう.
さて,所属学生の皆さんには,定期的に自分の研究を位置付けるために以下を申し上げています.
- 科学とは,「世界を説明する知識・学問」
- 工学とは,「世界を設計・創造する学問」
scienceに「科」が用いられているのは,世界を説明する知識・学問に対して,”はかりわける(=科)”の意を盛り込んだわけなのですね.一方,engineeringに「工」を割り当てたのは,世界を設計・創造する学問に対して,工夫や加工,すなわち人間の手を入れて改変したり創ったりする方法論を割り当てたといえるのでしょう.これら用いられている漢字一字とっても一つ一つ吟味しながら,scienceやengineeringの本来の意味を英語で認識しておくことは国際社会の一員として必要な過程と考えます.もちろん,universityって何だろうというのも...
そして,このように考えてくると,「情報工学」とは情報の(に関する)設計・創造する工学的学問分野,「情報科学」は対象とする情報を説明する科学的学問分野,「教育工学」は教育を設計・創造する工学的学問分野といった解釈を与えられるかもしれませんが,「教育学」は耳にすれど,あまり「教育科学」とは耳にしないように思います.一方で,○○科学や○○工学は大小問わず二つ以上の学問分野の融合領域と見ることも可能で,その場合,「情報学」と「工学」や「科学」,「教育学」と「工学」の融合ということになりそうです.さらには,「教育情報学」「学習支援システム学」といった具象度の上げ方もあります.
本研究室主宰者は,自身は「知能情報工学」出身であり,「教育工学」を専門とする先生に師事し,今では自らの専門として「学習支援システム」といった説明をすることが時々ありますが.はてさて,「学習支援システム学」という学問は,定義できるのか,認知されるのか...
いずれにしても,我々が携わっている研究とは,何か,自分で納得のできる説明ができるようになるのも,科学者としては必要と思われます(ここでの科学者とは一般的用語で,多くの場合,工学者も含みます).
(2)共同研究希望の皆様へ
業績や教員の人となり,環境等を踏まえて,本研究室や主宰研究者との協働に興味ある方は,主宰研究者までお問い合わせください.
(3)サイト訪問者の皆様へ
なるべく,平易な表現で研究成果を提供できるように努めますが,よくわからないことがあればお問い合わせください.