研究概要

近年、日々の生活レベルや健康寿命の向上のために、様々な医薬品や治療技術の開発が行われています。我々は、健康維持のためには、医薬品による疾病の治療だけでなく、日常的に摂取する食品の機能による予防、改善、治療補助が可能ではないかと考えています。研究室では、健康増進や、疾病治療に寄与する食品由来成分に着目し、成分の精製と構造解析、成分の類似体や誘導体の構造活性相関研究を行い、機能性食品、化粧品、医薬品の開発を目指した研究を進めています。

主な研究内容は「①アスコルビン酸誘導体の開発とその応用研究」と「②健康増進や疾病治療に寄与する天然成分の探索研究」です。

①アスコルビン酸誘導体の開発とその応用研究  

アスコルビン酸はビタミンCとして知られる水溶性ビタミンで、非常に不安定です。そこで、効率よく生体内でアスコルビン酸を供給できる安定型アスコルビン酸誘導体を合成し、そのビタミンC作用の評価を行っています。また、他にも様々なタイプの安定型アスコルビン酸誘導体を合成し、アスコルビン酸誘導体自身が有する薬理作用(抗アレルギー作用、神経突起形成促進作用など)の評価も行っています。さらに、アスコルビン酸をリガンドとして安定的に支持担体に固定化したアフィニティーゲルを創製し、そのゲルを用いて動物組織中よりアスコルビン酸を標的とするタンパク質の探索を試みています。

②健康増進や疾病治療に寄与する天然成分の探索研究  

近年、高齢化が進む中で、人々の健康を維持し、生活の質を向上させることの重要性が一層高まっています。当研究室では、様々な食品や廃棄物の中から健康増進や疾病の治療促進に寄与する物質を探索するため、生物活性を指標として有効成分の単離および同定を行っています。最近では、抗アレルギー作用に寄与する脱顆粒抑制作用や、認知症予防に関連する神経突起形成促進作用について細胞を用いて評価しています。また、構造類似体を用いた構造活性相関研究を通じて、活性発揮に重要な化学構造の解明も行っています。最終的には、明らかにした生物活性物質を活用し、機能性食品の開発や医薬品へのリード化合物・シード化合物の創出につながる研究を目指しています。